2013年 04月 17日
椅子の設計
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ブログの更新が少し滞っておりました。その間2件の新作住宅の監理に集中しており、先日無事お引き渡しを終えました。

4年前に竣工した「日向の家」のお客様から、書斎用に使う椅子の設計を依頼されました。
・・・と言ってもご依頼を頂いたのは実は1年以上前のことです。それから、ひたすらコツコツとスケッチを重ね、あんなのも良いしこんなのも良いし、と色々楽しく考え続けてようやく形が見えてきたのが去年の年末でした。(お客様もとても根気良く待って頂けました)そして間も無く、実物が完成する予定です。休日の書斎を過ごす為の少しゆったりした椅子で、木とペーパーコードを使ったナチュラルな素材感の椅子です。

ところで、住宅の設計者が椅子のデザインにも関わるのは、特別な思いがあります。私の敬愛する建築家であるアルネ・ヤコブセン、ミース・ファンデル・ローエ、ル・コルビュジェ、アルヴァ・アアルトらは多くの名作椅子をデザインしています。これは、建築空間にとって椅子というものが大変重要な存在であることを意味していると思います。

私が彼らと同レベルに並べるかというのは無理としても。重要なのは、建築という箱のみに関わって設計するのでは無く、その中身の家具にも関わること。また、建物が完成してから後もより完成度を高める為にデザインを通して再び関われることだと考えています。

# by acehatano | 2013-04-17 23:58 | デザイン
2013年 01月 02日
2013年
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新年、あけましておめでとうございます。

本年もより良い建築をつくることを通して、皆様のお役に立てるように精進したいと考えております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

# by acehatano | 2013-01-02 22:03 | その他
2012年 11月 21日
フロイス FUROISU
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設計させて頂いた住宅のお客様より、小さな椅子のデザインをご依頼頂きました。

浴室で使うことを考慮したため、材はヒノキの柾目を用いています。とても手触りが良くて良い香りのする素材です。

脚と座面は接着剤や金物を使わずに部材同士を組み合わせる仕口とそれを締め込む貫とクサビによって接合されています。

浴室で使うけれど、リビングや玄関などに置いても違和感なくインテリアに溶け込むデザインを目指しました。



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デザイン:A.C.E.波多野一級建築士事務所
デザイン・製作:坂田卓也製作所
写真撮影:沼田俊之

# by acehatano | 2012-11-21 18:40 | 作品
2012年 10月 25日
「守山の家」上棟
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今年の初頭から設計しておりました「守山の家」が上棟致しました。
ひとまず、工務店の皆様お疲れ様でした。

シンプルなプランと構造となっていますので規則的な軸組が美しく、隠してしまうのが勿体ないと感じてしまいます。設計者の間では、軸組が綺麗に組み上がると完成した姿も良い建物になる、ということが良く言われます。良い住宅になるように引き続き監理を続けたいと思います。


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現場の帰りはいつも夕方なのですが、晴れている日は琵琶湖がとても綺麗です。
これは上棟式の帰りの琵琶湖を撮ったものです。今日も良い一日でした。

# by acehatano | 2012-10-25 00:28 | 建築現場
2012年 09月 13日
京都の川
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高野川

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御手洗川(みたらしがわ「下鴨神社」)

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貴船川


京都の川といえば、加茂川または鴨川ですが他にも沢山の川があります。
それぞれ風情が異なり、暑い夏の終わりには涼しくもありとても癒される空間です。様々な水辺の風景を見ることで、人の住まいに自然を取り込むことの大切さを考える機会にしています。

# by acehatano | 2012-09-13 19:04 | 散歩・旅
2012年 08月 17日
広沢池 灯籠流し
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京都では毎年8月16日は、五山の送り火が焚かれます。ご先祖様の精霊を浄土に送り届ける為の大切な行事です。

今年は五山の送り火と同時に行われる、「広沢池 灯籠流し」を見に行ってきました。
広沢池は1000年以上の歴史がある人工の池なのですが、周囲の景観が良く保たれており、京都の中でも最も美しいと思える場所です。そこに、日暮れと共に無数の灯籠が浮かべられ、静かにゆっくりと西から東に向かって流れて行く様はとても情緒があって、美しく、神聖な気持ちになります。これは言葉では無くて五感を通して感じ取れる、光と空間の力だと思いました。

夜空には星が見え、流星が流れ、近くの神社では雅楽が演奏され、後ろには鳥居形の送り火が焚かれているという素晴らしいシチュエーションです。これは、是非毎年訪れたいと思いました。

# by acehatano | 2012-08-17 21:23 | 建築
2012年 08月 04日
「西陣の家」2年目
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2010年の初夏に竣工した「西陣の家」に伺ってきました。
西陣地区は京都の中でも、古くから栄えた街区で古い町家が多く残る地域です。また、この住宅が建っている場所は豊臣秀吉の聚楽第があった場所の近くでもあり、落ち着いた風情のある町です。

この古くて落ち着いた町の表情をつくり出しているのは、伝統的な町家の意匠や狭い道路と低めのスケールももちろん大切な要素なのですが、私は建物に使われている素材が大切な役割を果たしていると感じました。そこで、建物の外観を西陣地区の伝統的な建物に良く使われている「黒漆喰」「白漆喰」「杉板」で構成しました。

これらは、時間を経て味わいが増す素材です。竣工した瞬間より歳月を経て段々町に馴染んでくることが楽しみでもありました。しかし、この風化というプロセスは自然の力に任せることでもあるので、私のイメージ通り仕上がるものでもありません。元々人工的な構築物である建築に、自然と歳月の力による仕上げを加えることで一層深みが増すのではないかと考えました。

今年は竣工から2年目ですが、順調に風化していました。「黒漆喰」は若干薄墨色になり少し貫禄が出てました。又、「白漆喰」は純白のままで少しヒビ割れがありましたが、全く問題の無い範囲。「杉板」は予想以上に綺麗に均一に日焼けしていました。
(後でお聞きしたのですが、均一に焼けていたのはお施主様が「杉板」の手入れを良くして頂いていたからだ、ということが分かりました。)

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そして、最も変化の大きかったのは南庭のデッキ床の「杉板」でした。シルバーグレー色で綺麗な風化具合です。奥の壁面の杉板と比較して頂くと風化の度合いの違いが分かって頂けると思います。竣工当時は同じ色でした。人によってはこれを汚れている、と感じてこの段階で濃い色に塗装される方もおられます。お施主様は、良い色だと感じて頂いていたようで、このままでOKです。というお返事を頂きました。我が意を得たり、という嬉しいご意見でした。

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室内の床も良い色合いになってきました。建築は出来上がった瞬間よりも、年を経るごとに美しさが増すものであって欲しいと思いました。

# by acehatano | 2012-08-04 00:05 | 建築
2012年 07月 01日
「たる源」の桶
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昨年竣工した「花園町の家」のお客様に追加設計のご依頼を受けて伺い、そこで浴室用の新しい「桶」を見せて頂きました。京都では有名な老舗の「たる源」の風呂桶です。実は初めて見たのですが、一瞬で心を奪われるとても美しい桶でした。

まず、材料のマキが厳選されており、木目の揃い方や色、質感に至るまでほぼ完璧な材だと感じました。これだけの良材を使うのは小さな桶用の材料だから可能であって、沢山入手して大きなものを作るのは難しいと思います。また、継ぎ目やエッジの仕上げが手に馴染むように、触覚を研ぎ澄まして丸みをつけて作られています。小さな桶ですが、感覚を触発される良い作品でした。

これを使って頂く浴室がこちらです。

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床と腰壁は秋田県産の十和田石を使っています。十和田石は伊豆石と並んで、日本の浴室や温泉の床に使われている代表的な素材です。特徴はとても足触りが良くて、触覚的に柔らかく、お湯で濡らすととても綺麗な深い青緑色になります。また、壁と天井は国産ヒノキの無節貼りとしています。さすがにたる源のマキ材に比べると平凡な材に思えますが、これでも建築用としてはかなりの良材です。ここまで来ると浴槽もヒノキなのでは?と思いますが、お手入れのし易さという点で大変ですのでTOTO製を使っております。ちなみにヒノキの壁面は、メンテナンス性は大変優れております。

一生懸命考えて作った浴室ですので、その中で使う「桶」もしっかり選んで頂いたことが大変嬉しいことでした。また、人と物と空間がしっかり調和することが大事なことだと改めて感じました。

現在、新たなご依頼によりこの浴室に設置する「浴室用の椅子」をデザインしております。「浴室」「桶」「椅子」の3点が揃ったときにブログにてご報告させて頂きたいと思っております。


# by acehatano | 2012-07-01 23:28 | 建築