2014年 09月 25日
丹波橋の家
電車の線路に隣接し、かつ旗竿敷地という比較的厳しい条件に建つ住宅です。

電車の騒音や、周囲の家屋からの視線を建物の配置、窓の大きさと高さの工夫によって防御しました。簡単に言うと、騒音の来る方向の壁面は窓の少ないプレーンな面、つまり防音壁として幅広く立ち上げ、反対側に比較的静かな囲われた庭を設けてそちらにメインの大きな窓を一つ設けるというシンプルな方法にて対処しました。

救いだったのは、日当たりは良好で敷地面積に余裕があり、光や風の通り道を考慮することが出来、全体的に窓を小さくした割には明るく、風通しの良い空間に出来たことです。また、電車も極低速になる線路位置だったこともあって、実際屋内ではほとんど電車の音は気になりません。

空間的には、クライアントが友人を沢山招いて楽しめるように、気積の大きな伸びやかなスペースをメインに配置し、春秋には庭にも出て外部と一体的に使えるようにしました。庭にはジューンベリーを植えて新緑、紅葉、花、果実の採取も楽しむことが出来ます。

線路敷の隣で、奥まった敷地にあるという悪条件の住宅も、実際行ってみると豊かな空間があって居心地が良い。という意外性が出せればこのプロジェクトは成功ではないかと思っています。



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建築設計 波多野一級建築士事務所
構造設計 造形工学研究所 福永 毅
家具設計 坂田卓也製作所
建築施工 フォレストウッド
写真撮影 沼田 俊之

# by acehatano | 2014-09-25 23:49 | 作品
2014年 05月 10日
キャビネット
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5年前に設計させて頂いた「日向の家」のお客様より、キャビネットのデザインの依頼を頂きました。書斎で机の下に納まって、なおかつ天板に薄型プリンターも置ける寸法で・・・というご依頼でした。(実は1年前のお話なのですが・・・少々ご紹介が遅くなりました。)

中に納める物や、机の大きさやプロポーションからサイズを決定し、デザインの方向性を決めてスケッチを描きます。そして、詳細デザインと製作は今回も坂田卓也さんにお願いしました。

キャビネットは箱物家具と言って、一般的には天板以外は無垢材で製作しないことが多いのですが、これは5面がナラの無垢材で製作されています。実際の板厚は厚めで頑丈なのですが、そのままだと鈍重なデザインになってしまうので、フチ(小口)を薄くして軽快に見せる工夫がしてあります。又、ツマミはウォルナット材の削り出しとなっています。様々な積み重ねの結果として、空間との相性はとても良かったです。

徐々にですが、建築設計とセットで家具についてご相談頂くことが多くなってきてました。日本での民芸運動や、ドイツのバウハウスなどのように許される限り、建築、家具、照明、日用品に至るまで生活全体をデザインし、空間を充実させたいと考えています。

# by acehatano | 2014-05-10 17:35 | デザイン
2014年 01月 06日
2014年 新年のご挨拶
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明けましておめでとうございます。

今年でA.C.E. 波多野一級建築士事務所は設立10周年を迎えます。
これも皆様のおかげと心より感謝申し上げます。

独立当初より設計一筋に無我夢中で図面を描き続けて、長いようで一瞬の出来事のようにも思えます。その期間、色々感じることもありました。特に

・建築は一般の方にとって非常に分かりにくい世界であること。
建築にまつわる様々なことを設計者は一般の方に分かりやすく翻訳・説明する必要がある。

・設計と施工(工務店、職人さん)、メーカー(材木屋さん、建材屋さん、設備屋さん等)との協力関係は大切であること。
机上の空論では良いものは作れません。

・京都>関西>日本という場所に事務所を構えていることを再確認すること。
ここでしか出来ないことがあり、良い点を発見して設計に生かしてゆくことが大切です。


当たり前のことなのですが、当たり前のことを普通に出来るようになるのは案外難しいと思っています。これからは、設計活動の実践を通して感じた以上の課題について取り組んでいきたいと思っています。

皆様、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

# by acehatano | 2014-01-06 11:31 | その他
2013年 10月 02日
待兼山の家 記事掲載のお知らせ
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建築士会の「京都だより」バックナンバー5月号に「待兼山の家」のPDF記事が掲載されました。

閑静な住宅街に建つ住宅です。
敷地の約半分を庭として、その庭と大阪市内が一望出来るデッキテラスを外部階段により繋ぎ、屋外と屋内を回遊出来る構成としました。又、素材は時間の経過と共に良い具合に変化してゆく素材である、無垢の杉、栗、松、そして漆喰、深草土、かつら石などを主に用いています。

京都府建築士会 バックナンバーPDF
http://www.kyotofu-kenchikushikai.jp/images/kyotodayori/pdf/2013/1305_sakuhin.pdf


建築設計:波多野一級建築士事務所
構造設計:福永毅
建築施工:株式会社上原工務店
写真撮影:沼田俊之

# by acehatano | 2013-10-02 09:53 | 作品
2013年 05月 11日
下鴨の家
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京都市内の下鴨にある住宅街にて、都市型の住宅を設計しました。

1階は通り庭としての土間、2階を主階(LDK)として大型バルコニーとトップライトを設置、ロフトは曲面の天井と2階LDKの見下ろし、屋上テラスは大文字山と比叡山を望めるスペースがあり、各階にそれぞれの楽しみを設けた設計になっています。

お仕事や、都市部での慌ただしい日々の暮らしの中で、この住宅は完全なプライバシーを確保し、季節の移り変わりを感じながら静かな時間を過ごせることを大切にしました。また、季候の良い時は大きなテラスに出て太陽の光をいっぱいに浴びながら空の色の移ろいを眺めることが出来ます。

それぞれが、密集した周辺環境に対応した都市型住宅である為に必要とされたエレメントの集積なのですが、市街地での生活をより「楽しめるもの」へと昇華させていくことを目指しました。

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建築設計:A.C.E.波多野一級建築士事務所
構造設計:福永 毅
設計協力:田中郁恵設計室
施工:サクジ工務店
家具製作:坂田卓也製作所
建築撮影:沼田 俊之

# by acehatano | 2013-05-11 14:06 | 作品
2013年 04月 27日
アーム チェア (HS02)
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書斎用の椅子をデザインしました。

シンプルで、自然素材を用いた住宅の書斎空間にフィットする。そんな椅子が欲しいというご要望を頂きました。休日に読書をしたり、音楽を聴いたり、パソコンをしたり、趣味を楽しむ為の椅子です。

書斎用の椅子というと、一番に思い浮かぶのがリクライニング機能の付いたメカニカルな事務用の椅子です。アジャスト機能が充実していて機能性は非常に高いのですが、何だか機械的で仕事の続きを家に持ち込むようで気持ちが安らぎません。そういったご意見もありました。

そこで、シンプルな構造で木の暖かな素材感を生かした、住宅の空間にも似合う椅子をデザインしてみました。特徴としては

・ゆったり座れる幅広の寸法
・低めの座面
・大きな肘掛け
・4本の垂直な丸足
・曲げ木による3次曲面の背板
・ペーパーコードの座面
・安定した丈夫な構造

です。特に大きな幅広の肘掛けは125ミリの幅があり、コーヒーカップも置くことが出来、文庫本も置けてしまう余裕のある広さ。この水平に広がる大きな面が、休日のゆったりした気分を現しています。ここで、心地よい静かな休日のひとときを過ごして頂きたいと思っています。

なお、設計製作にあたっては、基本デザインを私(A.C.E.波多野一級建築士事務所)が担当し、詳細デザインと製作は家具作家である坂田卓也氏にお願いしました。確かなもの作りを追求されている坂田氏は非常に質の高い家具をデザイン製作されています。また、デザインのソースは北欧家具の巨匠であるボーエ・モーエンセンのスパニッシュチェアより得ています。


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写真撮影:沼田俊之・波多野崇

# by acehatano | 2013-04-27 20:00 | 作品
2013年 04月 17日
椅子の設計
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ブログの更新が少し滞っておりました。その間2件の新作住宅の監理に集中しており、先日無事お引き渡しを終えました。

4年前に竣工した「日向の家」のお客様から、書斎用に使う椅子の設計を依頼されました。
・・・と言ってもご依頼を頂いたのは実は1年以上前のことです。それから、ひたすらコツコツとスケッチを重ね、あんなのも良いしこんなのも良いし、と色々楽しく考え続けてようやく形が見えてきたのが去年の年末でした。(お客様もとても根気良く待って頂けました)そして間も無く、実物が完成する予定です。休日の書斎を過ごす為の少しゆったりした椅子で、木とペーパーコードを使ったナチュラルな素材感の椅子です。

ところで、住宅の設計者が椅子のデザインにも関わるのは、特別な思いがあります。私の敬愛する建築家であるアルネ・ヤコブセン、ミース・ファンデル・ローエ、ル・コルビュジェ、アルヴァ・アアルトらは多くの名作椅子をデザインしています。これは、建築空間にとって椅子というものが大変重要な存在であることを意味していると思います。

私が彼らと同レベルに並べるかというのは無理としても。重要なのは、建築という箱のみに関わって設計するのでは無く、その中身の家具にも関わること。また、建物が完成してから後もより完成度を高める為にデザインを通して再び関われることだと考えています。

# by acehatano | 2013-04-17 23:58 | デザイン
2013年 01月 02日
2013年
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新年、あけましておめでとうございます。

本年もより良い建築をつくることを通して、皆様のお役に立てるように精進したいと考えております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

# by acehatano | 2013-01-02 22:03 | その他