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2012年 08月 17日
広沢池 灯籠流し
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京都では毎年8月16日は、五山の送り火が焚かれます。ご先祖様の精霊を浄土に送り届ける為の大切な行事です。

今年は五山の送り火と同時に行われる、「広沢池 灯籠流し」を見に行ってきました。
広沢池は1000年以上の歴史がある人工の池なのですが、周囲の景観が良く保たれており、京都の中でも最も美しいと思える場所です。そこに、日暮れと共に無数の灯籠が浮かべられ、静かにゆっくりと西から東に向かって流れて行く様はとても情緒があって、美しく、神聖な気持ちになります。これは言葉では無くて五感を通して感じ取れる、光と空間の力だと思いました。

夜空には星が見え、流星が流れ、近くの神社では雅楽が演奏され、後ろには鳥居形の送り火が焚かれているという素晴らしいシチュエーションです。これは、是非毎年訪れたいと思いました。

by acehatano | 2012-08-17 21:23 | 建築
2012年 08月 04日
「西陣の家」2年目
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2010年の初夏に竣工した「西陣の家」に伺ってきました。
西陣地区は京都の中でも、古くから栄えた街区で古い町家が多く残る地域です。また、この住宅が建っている場所は豊臣秀吉の聚楽第があった場所の近くでもあり、落ち着いた風情のある町です。

この古くて落ち着いた町の表情をつくり出しているのは、伝統的な町家の意匠や狭い道路と低めのスケールももちろん大切な要素なのですが、私は建物に使われている素材が大切な役割を果たしていると感じました。そこで、建物の外観を西陣地区の伝統的な建物に良く使われている「黒漆喰」「白漆喰」「杉板」で構成しました。

これらは、時間を経て味わいが増す素材です。竣工した瞬間より歳月を経て段々町に馴染んでくることが楽しみでもありました。しかし、この風化というプロセスは自然の力に任せることでもあるので、私のイメージ通り仕上がるものでもありません。元々人工的な構築物である建築に、自然と歳月の力による仕上げを加えることで一層深みが増すのではないかと考えました。

今年は竣工から2年目ですが、順調に風化していました。「黒漆喰」は若干薄墨色になり少し貫禄が出てました。又、「白漆喰」は純白のままで少しヒビ割れがありましたが、全く問題の無い範囲。「杉板」は予想以上に綺麗に均一に日焼けしていました。
(後でお聞きしたのですが、均一に焼けていたのはお施主様が「杉板」の手入れを良くして頂いていたからだ、ということが分かりました。)

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そして、最も変化の大きかったのは南庭のデッキ床の「杉板」でした。シルバーグレー色で綺麗な風化具合です。奥の壁面の杉板と比較して頂くと風化の度合いの違いが分かって頂けると思います。竣工当時は同じ色でした。人によってはこれを汚れている、と感じてこの段階で濃い色に塗装される方もおられます。お施主様は、良い色だと感じて頂いていたようで、このままでOKです。というお返事を頂きました。我が意を得たり、という嬉しいご意見でした。

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室内の床も良い色合いになってきました。建築は出来上がった瞬間よりも、年を経るごとに美しさが増すものであって欲しいと思いました。

by acehatano | 2012-08-04 00:05 | 建築